坐骨神経痛と似ている病気~バージャー病~
腰が痛い・お尻に妙な違和感を覚える・下肢部分に痺れがある…確かに、坐骨神経痛の症状に間違いありません。
しかし、坐骨神経痛と本当に良く似た症状を引き起こす病気もあるのです。
みなさんは、バージャー病という病名をご存知でしょうか?
バージャー病は、血管の病気です。足の動脈が血栓によって詰まり、血液の流れが悪くなる病気です(血栓=血が固まる状態)。
バージャー病は、国の難病特定疾患に指定されています。
患者は全国で約1万人いると言われていて、その90%が男性で占められています。
バージャー病の原因は、現代の医療においても未だはっきり掴めていません。しかし、喫煙に何らかの関係があると言われています。(男性患者数が多いのは、喫煙者が多いため)
そして症状は、坐骨神経痛に本当に良く似ています。下肢部分が痺れ始め、足先が異常に冷たくなり感覚も薄れてきます。そして歩行困難に陥ってしまう…
確かにバージャー病の症状は、坐骨神経痛の神経根の症状と非常に良く似ています。
しかし、バージャー病の恐ろしさはここから始まります。
足先の痛みを我慢し続けると、冷え切った患部に血液が流れなくなり足の壊死が始まる…最悪、足の切断手術をしなければならなくなるのです。
また、バージャー病は坐骨神経痛の症状にも似ているのですが、閉塞性動脈硬化症にも非常に良く似ていて…とにかく、慎重な診察がなされなければなりません。
(閉塞性動脈硬化症=動脈硬化の一種で、足の動脈が狭くなる・塞がると、足が絶えず冷えて痺れを起こし歩行困難を伴う病気です)
バージャー病の治療方法として、まず実践しなければならないことは煙草を止めることです。そして、口腔内を清潔に保ちます。それと併用して、血栓を溶かす血流改善薬を投与します。初期症状の場合、上記の治療方法で改善されます。
しかし重篤な症状の場合、血管に人工血管を移植(バイパス手術)して血流を促し、足の切断回避をしなければなりません。
バージャー病は未だに治療方法が確立されていません。しかし、煙草を止め手足の皮膚を清潔に保つことが、回復への条件だと言われています。
どんな病気であれ、自分自身で勝手に「私の病気はこれだ!」思い込んでしまうことは愚の骨頂です。まずは、きちんと専門医・病院に行き、きちんとした病状を確認することが必要なのです。