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坐骨神経痛とブロック注射

坐骨神経痛を発症させる最も大きな原因は、椎間板ヘルニアです。
逆を返せば、椎間板ヘルニアを起こさせないことが、坐骨神経痛を発症させない手だてとも言えます。
しかし、激しい痛みが続く・薬物療法も効果なし…そういう場合、選択手段として「神経ブロック療法」があります。神経ブロックには、約25種類の療法があります。
そして、神経ブロック療法はこのように施術されます。
まず、神経・神経周辺の組織に局所麻酔薬を注射します(病状に応じて、ステロイド剤[副腎皮質ホルモン]を注射する場合もあります)。
麻酔薬を注射することで、脳に痛みを伝える神経信号を一時遮断します。つまり、痛みと密接に関与している交感神経の緊張を緩和させることで、痛みを感じない状態にするのです。
そして25種類ある神経ブロック注射の中で、坐骨神経痛と最も関係の深いブロック注射が、椎間板ヘルニアへ対する注射になります。
椎間板ヘルニアに対するブロック注射は、3種類あります。それは、硬膜外ブロック注射・椎間板内ステロイド注射・神経根ブロック注射です。

・硬膜外ブロック注射…脊髄は身体の中枢部分であり、身体の機能をすべて管理しています。脊髄には、脊髄を覆う膜があります。その膜の中で、一番外側を包んでいる膜を「硬膜」と言います。その硬膜と黄色靭帯の間には、数ミリの隙間があります。その隙間に(硬膜外腔)局所麻酔を行い、痛みという神経機能をブロックします。また硬膜外ブロック注射はブロック注射の中で、最も安全性が高いブロック注射と言われています。

・神経根ブロック注射…みなさんも経験あると思います。歯を抜歯する時、局所麻酔を注射してから抜歯します。神経根ブロック注射は、抜歯などに使われる麻酔薬と同じなのです。神経根ブロック注射は、激しい痛みを抑制するために使われます。神経根に直接針を差し込んで、局所麻酔剤・抗炎症剤(症状によって)を注入します。

・椎間板内ステロイド注射…これは椎間板自体にステロイド剤を注入し、痛みを緩和させます。椎間板内に直接針を通すため、個人差がでます。
このように痛みを抑制する神経ブロック注射ですが、当然、注意事項があります。

・注射当日、お風呂に入るのは控えてください(雑菌予防)。

・注射をした後、1週間前後は無理な動きはしないでください(アルコール類も控えてください)。

・局所麻酔によって、足腰に力が入らないこともあります。数日、気を付けて歩くようにしてください。

・排尿・排便の感覚が、多少おかしく感じられることもあります。通常は1日で治りますが、もし続くようであれば受診をしてください。

このように神経ブロック注射によって、痛みを抑制することはできます。
しかし神経ブロック注射は、痛みを抑制する一過性の治療に過ぎません。
神経ブロック注射で坐骨神経痛は治らないことを、きちんと肝に命じたうえで治療に対処してください。