坐骨神経痛と薬物療法
薬物療法…薬を用いて治療する方法。精神的療法・神経的療法・外科的療法・物理療法・免疫療法等々、様々な治療に対して行われています。
そして坐骨神経痛の場合(神経的療法)も、薬物療法を行います。
坐骨神経痛はその原因の多種多様さもあり、治療方法同様に様々な薬物療法が使われています。
・消炎鎮痛剤…一時的に激しい痛みに襲われた場合、消炎鎮痛剤を処方します。ほとんど場合内服液で処方されますが、状況によって座薬が処方される場合もあります。
ただし、消炎鎮痛剤は血管を閉じてしまう効力があります。つまり、血流と同時に痛み物質を止めるため、一時的痛みの緩和に繋がるだけです。長期間にわたる処方をするべきではありません。
・筋緊張弛緩薬…坐骨神経痛の場合、筋肉の緊張による神経圧迫が原因とされています。筋緊張弛緩薬は、そうした筋肉の緊張による痛みが長引かないようにする=筋肉の緊張を和らげる薬です。
・プロスタグランディン…坐骨神経痛を発症させる原因の1つに、腰部脊柱管狭窄症があります。
腰部脊柱管狭窄症とは、脊髄骨が何らかの原因で変形し、腰部の神経の通り道である脊柱管が狭くなります。つまり、脊柱管の中を通る神経が圧迫されることで、腰痛・下肢の痺れ(坐骨神経痛特有の症状)を発症させる症状を言います(緩和-痛みが交互に繰り返される)。
プロスタグランディンは血管を広げ血液を凝固させない=血流を良くするために処方されます(腰部脊柱管狭窄症対策)。
また、腰部脊柱管狭窄症に対する治療薬としてプロスタグランディン以外にも、リマプロストアルファデクス・ベラプロストナトリウムといった錠剤も処方されます。
(ただし同じ神経圧迫が原因であっても、痛みの部位[馬尾型-神経根型]によって効果が見られない場合もあります)
・ビタミンB12…手先・足先に向かう末梢神経の痛み、これも坐骨神経痛の1つです。ビタミンB12を処方することで、末梢神経機能を安定させることができます。
・温湿布…坐骨神経痛の場合、冷湿布を貼ることは絶対厳禁です。万が一冷湿布を貼ってしまうと、患部の筋肉が益々緊張し、一層神経を圧迫し痛みを増幅させることになります。温湿布を貼れば、患部の筋肉の緊張が解け神経圧迫も軽減され、痛みも緩和されます。
湿布の場合、治療院の処方がなくても、自己判断で貼ってしまう場合が多いと言えます。病状によって温湿布・冷湿布があるので、購入の際、必ず薬剤師に相談することをお勧め致します。
坐骨神経痛に関わる薬物の種類・効能…きちんと理解したうえで、処方するようにしてください。